内科・老年内科
内科・老年内科
一般内科では、日常生活の中で比較的罹患しやすい症状や病気を診療します。「何科に相談したらいいかわからない」などでお悩みの方もお気軽にご相談ください。循環器疾患だけでなく、消化器疾患、呼吸器疾患、腎臓疾患、内分泌・甲状腺疾患などにも幅広く対応いたします。
鼻や喉に細菌やウイルスが感染し、炎症を起こすことによって起こります。くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、喉のいがらっぽさなど、鼻や喉の粘膜の異常が顕著にみられます。発熱はあっても微熱程度で、頭痛や全身倦怠感(だるい)など全身症状があっても、軽いのが特徴です。原因の9割以上がウイルスによるものです。
治療は、ウイルスには抗菌薬(抗生物質)が効かないため、対症療法として症状を抑えるお薬を服用しながら、安静、水分・栄養補給により自然治癒を促すことが主体となります。また、扁桃腺が腫れたり呼吸器の症状が強くなるなど細菌感染が疑われる場合には、抗菌薬投与が有効なこともあります。
気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、しっかり完治するまで来院するようにしましょう。
肺や気道にインフルエンザウイルスが感染することによって起こります。感染者の咳やくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の分泌物に直接触れたりすることで感染します。感染すると、1~5日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。風邪よりも急激に発症し、症状が重いことが特徴です。健康な方なら症状が3~7日間続いた後治癒に向かいますが、基礎疾患をお持ちの方や高齢の方は気管支炎や肺炎などの合併症を発症しやすく、重症化すると脳炎や心不全になる場合もあります。感染力は強力で、いったん流行すると年齢や性別を問わず多くの人に短期間で感染が広がります。
治療は、対症療法と抗インフルエンザ薬の投与です。抗インフルエンザ薬を発症から48時間以内に投与すると、ウイルスの増殖を抑えて症状が改善するスピードを早め、周囲にうつしにくくなります。抗インフルエンザ薬は数種類あり、患者さんに最も合いそうなお薬をご相談の上処方します。
予防は、手洗いうがいの他に流行シーズン前の予防接種(ワクチン接種)は有効であり、毎年受けられることをお勧めします。また、二次感染、合併症の予防のために、できるだけ早く受診しましょう。
胃腸炎のほとんどはウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)感染で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。学校や家庭内に感染者がいる場合、ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に入ることで感染します。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は対症療法として脱水を予防し、症状に合わせたお薬を服用することが主体になります。細菌性が疑われる場合には抗菌薬を投与することもあります。尚、脱水予防には、経口補水療法が効果的です。
頭痛を起こす病気には、放っておいても心配ないものからすぐに専門的な治療が必要なものがあります。それぞれに治療法、治療薬がありますのでご相談ください。
また必要時には、頭部CTやMRIなどの精密検査を受けて頂くよう、専門病院にご紹介します。特に、急激に起こった頭痛でこれまでに経験したことがない位ひどい場合や、熱がある場合、手足の麻痺やしびれ、吐いてしまうなどの症状を伴う場合、数週間のうちに悪化している場合には、至急ご紹介しますので早めにご相談ください。
医療従事者がいう「貧血」と一般的に使われる「(脳)貧血」とは全く違うものです。医療従事者がいう貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)濃度が低下した状態、「血が薄い」状態を指します。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ働きをしており、ヘモグロビン濃度が低下すると組織に十分な酸素を届けられなくなり、身体を動かしたときに、息切れや動悸、頭痛、めまい、立ちくらみ、疲れやすくなるなどの症状が出現します。
貧血の原因は様々ですが、一番多いのは鉄欠乏性貧血で、赤血球を作る材料である鉄分が不足しているために起こります。鉄分が不足することによって、爪が割れやすくなる、唇の端や舌に炎症が起こる(口内炎や舌炎)、氷などを無性に食べたくなる(氷食症)、髪が抜ける、肌が荒れるなどの症状が見られることもあります。
また原因に、腎臓病や悪性腫瘍が隠れている場合もあり、原因によって治療法や受診する科が異なりますので、まずはご相談ください。
高齢になると複数の慢性の病気を同時に生じやすくなります。また、加齢によって生理機能は低下し筋肉なども衰えてくるため、高齢の方の特有の問題、例えば認知機能障害や低栄養、身体機能障害、筋力低下、フレイルなどが生じやすくなります(これらを老年症候群といいます)。
さらに、個人差はありますが、症状や病状、お薬の効果は一定でなく、生活背景も強く影響するため、高齢の方の診療は非常に複雑になります。そのため、生活情報も重視し、様々なリスクや可能性を考慮に入れた総合的な判断が必要です。
当院では、高齢の方の人生(寿命)も視野に入れ、個々に寄り添った診療の実現に努めます。また介護予防にも力を入れており、医師、看護師、理学療法士によるチーム医療を積極的に実践しています。65歳以上の方のちょっとした健康上のお悩みから介護上の問題まで幅広く対応します。
いくつもの病気を併せ持つ方や、身体機能が低下してきたと感じる方、受診すべき診療科がわからない方は、是非ご相談ください。必要に応じて、心臓リハビリテーションにも積極的にご参加頂きます。
症状は、脳の器質的な障害によって引き起こされる「中核症状」と、それに伴って出現する「周辺症状」に分けられます。中核症状は認知症患者さんに必ずみられるもので、記憶力障害、見当識障害、判断力の低下などがあります。周辺症状は現れ方や程度に個人差がありますが、せん妄、幻覚・妄想、徘徊、暴力・不穏行為、過食・拒食・異食、不潔行為、睡眠障害、抑うつ症状などがみられます。
ご家庭でのご本人の変化や気付いたことがありましたら、ご相談ください。
転倒は日常生活で多く発生する、頻度の高い老年症候群です。転倒に伴う骨折も多く見られ、中でも大腿骨近位部骨折は寝たきりになるリスクが高く、寿命にも悪影響を及ぼすと言われています。これらのことから、高齢の方の転倒リスク評価は必要です。
評価にはチェック表を用いたり、バランス機能を中心とした身体機能を評価する方法があり、当院で実施しています。
転倒のリスクが高いと判断された患者さんには、多方面から転倒の予防対策を具体的にご提案します。時には介護者やケアマネージャーから情報を提供してもらい、家庭環境を整備することも必要になります。皆で一緒に予防法を考え、実行していきましょう。
フレイルとは、介護の前段階のことで、加齢による心身機能の低下と健康障害を引き起こしやすい状態を指します。フレイルは「虚弱」「老衰」「衰弱」「脆弱」を意味するfrailtyから派生した言葉で、フレイルがあると新たに「要介護」となる確率が高いと言われています。“生理的な”老化とは異なり、“意図しない”衰弱、筋力低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下などがみられます。
しかしフレイルには、しかるべき介入をすれば再び健常な状態に戻るという可逆性が含まれており、フレイルから要介護状態へ進行しないよう予防し、フレイルから脱却することが介護予防にとって重要なことです。
当院では、フレイルを診断し、フレイルを加速する原因、例えば栄養状態や運動や活動状況、社会的活動、服用薬剤とその管理状況などを評価し、必要であればリハビリテーションを導入したり、地域の介護サービスとも連携して、患者さんとそのご家族と一緒に介護予防に力を注ぎます。